スコーンを食べていて気になることが一つありまして、
「ベーキングパウダーの後味」問題。
周りに聞いてみると、同じように気になる人がちらほら。
私の感覚で言うならば「渋さ」でしょうか。
別にしびれるほどの強さではないものの、ちょっとした違和感を感じるのです。
市販のスコーンでもその後味を感じるものがあります。
これは一体何なのか、解消できる手段はあるのか?
結論から言うと解決しきれていないのですが、、、途中経過をまとめます。(長くなります)
1.ベーキングパウダーとは
重曹(炭酸水素ナトリウム)+助剤(酸性剤)+遮断剤
重曹・・・高温になると分解して炭酸ガス(二酸化炭素)を発生する ⇒ 生地が膨らむ
単体だと重曹は完全に分解されず、「炭酸ナトリウム」(アルカリ性)が残る。
これによって、生地が黄色っぽくなったり、独特のにおいや苦みの原因となる。
酸性剤・・重曹単独では残ってしまう「炭酸ナトリウム」を完全に分解するために添加される。
ガス発生の温度やスピードなどを調整する働き。
ブランドによって配合が異なる。
遮断剤・・保存中に重曹と酸性剤が反応しないようにするためのもの。主にコーンスターチ。
2.助剤(酸性剤)を調べてみる
重曹と遮断剤であるコーンスターチはどのBPも同じ。
謎多き酸性剤を深掘りしてみた。
比較したのはこちらの3つ。

①一番入手しやすいんじゃないかと思う”アイコク赤”
②富澤商店オリジナル
③cottaオリジナル
以上3つは実際使ってみたもの。
そのほかに、これもポピュラーな”ラムフォード”ですが、成分を見ると富澤とほぼ一緒でした。
それから”アイコクWアップ”(業務用)という商品も。
これについては後述。

助剤については、1つしか入っていないものから、少量ずついろいろ入っているものまでありますが、大きく分類すると「即効性」か「遅効性」かに分けられます。
即効性・・・室温~比較的低温でガスを発生する
遅効性・・・かなり高温になってからガスを発生する
富澤、ラムフォードは即効性の成分しか入ってませんが、他は両方が配合されており、加熱中持続的にガスが発生する「持続性」のベーキングパウダーと言えるようです。

これらの前提を踏まえて、さてどうするか。
次につづく。
出典:お菓子「こつ」の科学 河田昌子(柴田書店)
科学でわかるお菓子の「なぜ?」 中山弘典・木村万紀子(柴田書店)